こき/胡跪
座法の一つ。現行の胡跪の座法は、右膝を地に着けた姿勢で左膝を立てる。元来は胡国の人の跪拝・座法の意。胡とは古代中国の北域・西域民族の総称。跪は蹲るような姿勢を指し、『釈門帰敬偈』下には天竺国(インド)屈伸の相であり、跪は膝を屈するとの記述がある。胡跪の相には所説あり、長跪や互跪と同一とするものもある。現在浄土宗においては、中品礼に区別され通常法要には用いず、特殊法要である放生慈済羯磨儀軌、例時作法(大懺悔)、阿弥陀懺法、布薩式等で行う。
【資料】『諸回向宝鑑』、『浄土苾蒭宝庫』、『浄土宗法要儀式大観』
【参考】『続浄土宗法儀解説』上(真教寺、一九七二)
【参照項目】➡礼拝、長跪、互跪、蹲踞、胡跪礼
【執筆者:伊藤正芳】