阿弥陀経約論
提供: 新纂浄土宗大辞典
あみだきょうやくろん/阿弥陀経約論
一巻。中国清・彭際清述。禅と浄土の行を合一する立場から『阿弥陀経』の要義を述べた書。内容は明経中要領、明往生利益、別申問答、説偈回向の四に分けられる。最初の明経中要領に、この経は一心をもって宗とし、持名をもって行とし、信願をもって導とし、不退をもって程とし、阿耨多羅三藐三菩提をもって究竟とするといって要旨を明かしている。次の明往生利益では『阿弥陀経』に基づき、極楽浄土には諸苦なく、ただ諸楽を受けること、また六根清浄となることなどが説かれている。さらに別申問答では、四つの問答を通して、衆生の疑いを釈している。清代浄土教における代表的な『阿弥陀経』の疏である。
【所収】続蔵二二
【執筆者:肖越】