塔婆の一種で、角柱あるいは板状の塔婆に笠の屋根をのせたもの。笠卒塔婆ともいう。塔身には仏像のほか、種子や名号などが記され、側面に造立の願主、年号、縁起などが記録される。かつては木製の笠塔婆もあったが、現存するものの多くは石造で、群馬県渋川市石原にある延文元年(一三五六)刻銘の石造笠卒塔婆などは国重要文化財に指定されている。大分県富貴寺(天台宗)には「文永五年戊辰」の銘をもつ石の笠塔婆がある。
【参照項目】➡卒塔婆
【執筆者:編集部】