かいそう/戒相
戒の相、すなわち戒の詳しい内容あるいは規定のこと。例えば在家仏教信者たる優婆塞が守るべき五戒について『俱舎論』に「復た離殺生等の五種の戒相を説きて、堅持を識らしむるなり」(正蔵二九・七六上)とあり、ここでの戒相は五戒の内容である離殺生(不殺生)などのことを指す。戒には様々な種類があり、内容も異なっている。それゆえ戒の種類に従って、戒相もまた異なる。円頓戒に関連するところでは、『十二門戒儀』の第一〇「説相」において、十重禁戒の相が説かれている。
【資料】『大智度論』一三、『四分律刪繁補闕行事鈔』一
【執筆者:石田一裕】