りゃくじゅつだいじょうかいぎ/略述大乗戒義
二巻。俊鳳撰。天明二年(一七八二)成立。上巻では四教菩薩などの二四項、下巻では三聚偏円などの三六項を解説する。天台四教にもとづいて別教・円教の菩薩は大乗戒を実行すべきこと、小乗具足戒に対して、『梵網経』五十八戒を大乗具足戒とすることを論じる。大小乗戒を実行する当時の浄土律僧への批判であり、後に真言律僧の諦忍によって批判された。
【所収】続浄一二、仏全七二
【参考】川口高風「俊鳳の『略述大乗戒義』をめぐる論争」(『諦忍律師研究』下、法蔵館、一九九五)
【執筆者:西村玲】