法幢
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうどう/法幢
正法を幢(旗)に譬えて、その高く勝れていることを表す。正法幢ともいう。仏法の標幟としての旗印。『無量寿経』に「法皷を扣き、法螺を吹き、法剣を執り、法幢を建て、法雷を震い、法電を曜かし、法雨を澍ぎ、法施を演ぶ」(聖典一・二一五/浄全一・二)と仏の説法の有り様を様々に示すうちの一つが法幢である。仏の正法がすべてに勝利するものであることを、幢を建てることに譬えている。浄影寺慧遠は『無量寿経義疏』に「法幢を建つとは、宣しく証法を説く。証法の高勝なること、幢の上に出づるが如し」(正蔵三七・九六中~下)と説いている。そして僧侶が説法することや説法をする道場(法幢院など)のことも示すようになり、また説法があることを示すための旗をも言う。
【執筆者:大澤亮我】