大乗戒経の研究
提供: 新纂浄土宗大辞典
だいじょうかいきょうのけんきゅう/大乗戒経の研究
大野法道著。昭和二九年(一九五四)、理想社刊。戒・定・慧の三学のうち、戒学の立場から『正蔵』中の戒に関わる資料を整理したもの。前後二篇に分け、前篇は戒学による大乗経典の整理として、経録における選示、『正蔵』における編制等を吟味し、大乗戒経を一七類二〇〇部に分類整理している。後篇では大乗戒経各説として、戒学に含まれない諸経についても検討を加えている。大乗戒を説く経典の成立問題や翻訳状況等に関する総合的な研究であり、大乗戒に関わる資料の全体像や成立史を把握するために不可欠な研究であると同時に、浄土教関連の戒経研究にとっても重要な書である。なお第二版以降は山喜房仏書林より刊行されている。
【執筆者:山極伸之】