僧兵
提供: 新纂浄土宗大辞典
そうへい/僧兵
武装した僧侶、およびその集団。この呼称は近世期以降のもので、平安時代・中世の文献資料では悪僧・堂衆・衆徒などと表記される。延暦寺の山法師や園城寺の寺法師、興福寺の奈良法師が名高い。裹頭帯仗の姿で、武力によって自己の所属する寺の権利獲得を要求したり、鎌倉期には専修念仏停止を朝廷に迫るなど新興諸宗への迫害行為を行った。室町期以降は公家や武家と提携する例も見られたが、織田信長や豊臣秀吉の寺院政策により姿を消した。
【参考】日置昌一『日本僧兵研究』(平凡社、一九三四)、勝野隆信『僧兵』(『日本歴史新書』至文堂、一九五五)、平岡定海「僧兵ノート」(『日本歴史』二五三、一九六九)、瓜生中「雑学から学ぶ仏教(一〇)僧兵」(『大法輪閣』七七—九、二〇一〇)
【参照項目】➡堂衆
【執筆者:冨樫進】