二巻。『選択肝要鈔』ともいう。覚如著とするも真偽未詳。恵空・恵琳は聖教目録に存覚著とし、先啓は了実著とする。泰巌は十九、二十願理解が真宗的ではないとし、石井教道は西山義に近いとする。『選択集』各章の内容を平易に示したもの。十九、二十願をもって諸行本願義を主張することは浄土宗の正意ではないと批判し、その両願は雑行を捨てて正行に帰する者を来迎、果遂する願であると理解する点に特色がある。
【所収】浄全八
【執筆者:藤田真隆】