「一心」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:19時点における最新版
いっしん/一心
心を一つに集中すること。通常、動作を表す語の前に置かれ、ただひたすらにその動作を行う意味で形容詞・副詞的に用いられる。特に浄土教では、『阿弥陀経』に「名号を執持すること、もしは一日…もしは七日、一心不乱なれば」(聖典一・三一八/浄全一・五四)とあり、また善導『観経疏』の浄土宗開宗の文として有名な「一心に専ら弥陀の名号を念じて行住坐臥に、時節の久近を問わず。念念に捨てざる者、これを正定の業と名づく。かの仏の願に順ずるが故に」(聖典二・二九四/浄全二・五八下)の一節に見られるように、他の想や行を雑えず、ただひたすら阿弥陀仏を念じること、弥陀の名号を称えることを指す場合が多い。また良忠は一心という語について、『決疑鈔』二で「一心の言は広く理・事・定・散・起行・安心に通ず」(浄全七・二一五下)と述べ、以下この分類に基づき、それぞれの一心を示す典拠を挙げながら詳述している。
【執筆者:安孫子稔章】