「浄土境観要門」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版
じょうどきょうかんようもん/浄土境観要門
一巻。元・懐則述。至大三年(一三一〇)成立。本書は宋代の知礼が提唱した約心観仏の義を闡揚するもの。天台浄土教学における「観心観仏」の論議について、知礼の門人である仁岳と尚賢との見解が異なり、仁岳は「摂仏帰心、然後用観」(心に帰結してから観法を用いる)と説いたのに対し、尚賢は「摂心帰仏」(仏に帰結して観法を用いる)と主張した。これについて知礼は両者の見解をともに非とし、「観心観仏」問題の要旨は「約心観仏」にあるとしたという。
【所収】正蔵四七、縮蔵陽二
【参考】安藤俊雄『天台学論集—止観と浄土』(平楽寺書店、一九七五)、福島光哉『宋代天台浄土教の研究』(文栄堂、一九九五)
【参照項目】➡約心観仏
【執筆者:林鳴宇】