「蚕繭自縛」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
さんけんじばく/蚕繭自縛
蚕が繭をつくって自らを束縛することから、衆生が自ら煩悩をつくり、それに縛られていることの例え。「蚕、繭を作り自ら生じ、自ら死す」(『北本涅槃経』二七、正蔵一二・五二四上)あるいは「蚕、繭を作り自ら纏い自ら裹む」(『婆沙論』四八、正蔵二七・二四七下)なども同様の意味である。『往生論註』上では、この比喩を用いて人々が輪廻に苦しみ、それが尽きない様を述べている(浄全一・二二二下/正蔵四〇・八二八上)。また漢訳の『法句経』にも「たとえば、蚕の繭を作るが如し」(正蔵四・五七一上)と同様の文が確認できるが、パーリ語テキストでは、「くもが巣を作るようなものである」(ダンマパダ三四七)となっている。
【資料】『往生論註記』二
【執筆者:石田一裕】