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「五重拾遺抄」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版

ごじゅうしゅういしょう/五重拾遺抄

三巻。聖聡撰。成立は、奥書によると、永享一一年(一四三九)六月三日に執筆され、承応四年(一六五五)の正月に刊行された。本書は、上中下の三巻から構成されており、概要は、上巻に初重『往生記』と『投機抄』、二重『授手印』と『伝心抄』、三重『領解抄』と『徹心抄』について、さらに中下巻においては四重『疑問抄』と『銘心抄』について、それぞれに本末要文の注釈が施されている。また、末尾に「仍ち当流決定安心、所学の人に之を授けるところなり」(『伝灯輯要』上・一五〇)とあるように、いわゆる三巻七書を網羅したものとして本書は、伝法史上、最も価値を有する伝書である。


【所収】『伝灯輯要』上


【参考】林彦明『五重大会勧誡講録』(総本山知恩院、二〇〇九)、岸覚勇『大五重大意』(記主禅師鑽仰会、一九七二)、恵谷隆戒『浄土教の新研究』(山喜房仏書林、一九七六)


【執筆者:井野周隆】