「原始浄土思想の研究」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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げんしじょうどしそうのけんきゅう/原始浄土思想の研究
藤田宏達著。昭和四五年(一九七〇)二月、岩波書店刊。阿弥陀仏の浄土に関する原始期の思想とその展開を、日本の浄土教系教団の伝統的な視点を意識的に離れて、インド学・仏教学の立場から、厳密な文献学的方法を用いて明らかにしようとした著作。主たる研究対象となる〈無量寿経〉と〈阿弥陀経〉の文献批判を基礎として、その原初形態を検討し、原始浄土思想の成立の時期・地域を西紀一〇〇年ころ、クシャーナ王朝の版図内、北西インドであろうとの結論を得た。続いて、阿弥陀仏の起源、本願思想、極楽浄土の観念、実践の問題(往生、念仏、信など)という、およそ浄土教に関連するあらゆるテーマを、その起源に遡って論じた大著である。昭和四六年(一九七一)、本書により著者は日本学士院賞を受賞した。
【執筆者:齊藤舜健】