「道理」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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どうり/道理
物事の存在や変化のさいに依拠する法則。物事の筋道。道義。Ⓢyuktiなど。例えば、『瑜伽論』などでは観待道理、作用道理、証成道理、法爾道理の四種の道理を示す。観待道理とは、物事に存する対応関係の法則。作用道理とは、物事の本体とはたらきの関係の法則。証成道理とは、物事を認識・知覚する方法の法則。法爾道理とは、物事の自然現象の法則。善導『観経疏』玄義分では、「道理破」(浄全二・五下~六上)と呼ばれる議論がある。すなわち、善導以前の諸師は、『観経』の九品の上品三生と中品上生の人を善導の解釈と比べて高位に置くのに対し、善導は、この高位の人が今さら西方浄土を求めるはずがないと道理によって批判するものである。また法然のものと伝えられる、『和語灯録』五所収「諸人伝説の詞」(昭法全四六二)では、阿弥陀仏の本願によって念仏で来迎するのは、法爾道理であると説く。
【参照項目】➡道理破
【執筆者:角野玄樹】