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「善の綱」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版

ぜんのつな/善の綱

葬列の際、棺につないで引く綱のこと。「縁の綱」ともいう。棺の前につなぎ人々が棺を引く場合と、棺の後ろにつなぎ人々が綱を持ち棺に従う場合とがあり、後者の場合には、「惜しみの綱」と呼ばれることがある。誰が綱を引くかは地方によって異なるが、滋賀県では綱の先端を導師が持ち、亡者はこの綱を持って阿弥陀仏聖衆に導かれて極楽世界に往く様子を表しているとされる。


【参考】五来重『葬と供養』(東方出版、一九九二)、伊藤唯眞『仏教民俗の研究』(『伊藤唯眞著作集』三、法蔵館、一九九五)


【執筆者:名和清隆】


本堂の前に立てられた回向柱本尊を結ぶ綱のこと。五色の綱や白綱が用いられる。人々は回向柱に触れることにより、その先につながっている本尊に直接結縁けちえんできると考える。


【参考】伊藤唯眞『仏教民俗の研究』(『伊藤唯眞著作集』三、法蔵館、一九九五)、五来重『葬と供養』(東方出版、一九九二)


【参照項目】➡五色五色の糸


【執筆者:名和清隆】