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「諸行」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版

しょぎょう/諸行

諸々の事象。条件によって形成された事象すべてを指し、有為と同義。Ⓢsaṃskāra。これらの事象は、条件が変化すると必然的に変化するのであるから常(恒常不変)ではありえない。それゆえ、仏教の基本的立場として諸行無常が説かれる。


【参照項目】➡四法印有為・無為


【執筆者:南清隆】


文字通り「諸々の行」(=万行)の意味であるが、浄土教においては念仏と対比して使用され、「念仏以外の諸々の行」という意味で用いられることが多い。例えば、法然以前では懐感群疑論』(浄全六・七〇上)、(伝)基『阿弥陀経疏』(浄全五・五七〇上)、永観往生拾因』(浄全一五・三八四下)などにおいて、そのような用例が見られる。ただし、諸行称名念仏との対比をより明確にうちだし、頻繁にその語を用い始めたのは法然である。法然文献においては、「諸行」およびその同義語として用いられる「余行」(念仏以外の行)の使用例は非常に多い。また、法然諸行雑行とその意は同じ(『十二問答』聖典四・四三四/昭法全六三三)とも述べており、このことからすると、念仏以外の行はすべて雑行ということになる。いずれにせよ、法然以降、諸行をどう位置づけるかは、法然門下や浄土各宗において、教学上の中心問題の一つとなってゆく。


【参照項目】➡諸行往生正行・雑行


【執筆者:安達俊英】