「正機」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
しょうき/正機
その教えを受けるのにふさわしい人という意味。ただし、浄土教においては、阿弥陀仏の主たる救済対象となる者という意味で使用されることが大半である。「正」とはまさしき、主たる、第一次的な、「機」とは(ある一定の機根を有する)人を指す。例えば、凡夫正機といえば、凡夫こそが第一次的な阿弥陀仏の救済対象である、すなわち阿弥陀仏はまずは凡夫をこそ救おうとしているという意味となる。また浄土の正機、往生の正機といった場合は、浄土往生で主として救われるべき者ということを意味する。正機の概念は法然にも明確に現れるが、用語そのものは用いておらず、親鸞『教行信証』(真聖全二・一四八)、良忠『東宗要』(浄全一一・九〇下)、良忠『法事讃私記』(浄全四・六三下)などがその早い使用例といえる。
【執筆者:安達俊英】