『法華経』の弘通ぐずうを妨げる修行者、あるいは敵意をいだく三種の邪人のこと。①俗衆増上慢(邪悪な俗人)②道門増上慢(邪智の比丘)③僭聖増上慢(聖者の仮面を被った比丘)。『法華経』勧持品の経を弘通する際に予想される困難が記された偈文(正蔵九・三六下)に対する、湛然『法華文句記』の解釈にこれら三種の邪人があらわれる。また、この偈文に対する日蓮の解釈を「勧持品の色読しきどく」という。
【執筆者:大屋正順】