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「三念」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版

さんねん/三念

六随念六念処)中の前半三つ(念仏・念法・念僧)を指す。六随念とは三念に念戒・念施・念天を加えたもので、主に在家信者のための行法。仏教では、念とは「所縁を忘失しないこと」と定義される。『俱舎論』(正蔵二九・一九上)では心所の大地法、『大乗阿毘達磨集論』(正蔵三一・六六四中)では心所の別境に分類される。三念三宝随念とも呼ばれ、インド仏教以来修学の基本とされた。これを主題とする仏典も多数存在する。浄土教では、『阿弥陀経』に「その土の衆生、このこえを聞きおわって、皆悉く仏を念じ、法を念じ、僧を念ず」(聖典一・三一七/浄全一・五三)と説かれる。


【参考】本庄良文「『俱舎論』七十五法定義集」(『三康文化研究所年報』二六・二七、一九九五)、中御門敬教「世親作『仏随念広註』和訳研究—前半部分・仏十号に基づく三乗共通の念仏観—」(佛大紀要一五、二〇〇八)、藤仲孝司「世親作『仏随念広註』和訳研究—後半部分・大乗特有の念仏観—」(佛大紀要一五、二〇〇八)


【執筆者:中御門敬教】