「三国伝記」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
さんごくでんき/三国伝記
一二巻。玄棟(一五世紀頃、生没年不明)撰。インド・中国・日本の三国にわたる説話集。各国一二〇話、合計三六〇話を収録しており、そのほとんどが仏教説話である。応永一四年(一四〇七)、清水寺に参詣した際に偶然出会った天竺の僧梵語坊、大明の魯国から来た俗人漢字郎、日本江州の遁世者和阿弥の三人が、法楽のためにと互いに自国の巡り物語をすることから始まる。国別に話を収めた通常の三国伝とは異なり、三国交互に一話ずつ順に綴ることを繰り返しているのが特徴である。成立年代については諸説あるが、応永一四年以降の可能性が高いといわれている。
【所収】仏全一四八
【参考】池上洵一『今昔・三国伝記の世界』(和泉書院、二〇〇八)、播摩光寿「三国伝記」(『国文学解釈と鑑賞』四八—一五、一九八三)
【執筆者:伊藤瑛梨】