「五重指南目録集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版
ごじゅうしなんもくろくしゅう/五重指南目録集
二巻。聖聡説・了暁慶善記。永享八年(一四三六)八月一三日の成立。本書は、了暁が師の聖聡から受けた口伝を記録した上下二巻からなる伝書。上巻は初重『往生記』について、下巻は二重『授手印』について表し、初重においては一一箇条の口伝が、二重においては二一箇条の口伝が記されている。また聖冏の『五重指南目録』には、「一、伝法要偈」(『伝灯輯要』上、六一)とあるのみだが、本書の下巻には、「表紙、四句の文の事、口伝有るなり」(『伝灯輯要』上、八九)とあり、口伝の内容までは詳述されていないにしても、聖光・良忠相伝の『授手印』袖書にある、いわゆる「四句の偈」を想起させるはじめての伝書といえる。
【所収】『伝灯輯要』上
【参考】林彦明『五重大会勧誡講録』(総本山知恩院、二〇〇九)、岸覚勇『大五重大意』(記主禅師鑽仰会、一九七二)、恵谷隆戒『浄土教の新研究』(山喜房仏書林、一九七六)
【執筆者:井野周隆】