「光台現国」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版
こうだいげんごく/光台現国
『観経』所説のいわゆる「王舎城の悲劇」において、清らかな世界を見たいと願う韋提希の求めに応じ、釈尊が金台に諸仏の国土を現出させた場面を示す、善導『観経疏』玄義分に見られる語。「光台に国を現ぜし」(聖典二・一六七)と訓じられる。『観経』はその時の模様を「その時に世尊、眉間の光を放ちたまう。その光、金色にして、徧く十方無量の世界を照らし、仏頂に還り住まりて、化して金台となる。須弥山のごとし。十方諸仏の浄妙の国土、皆中において現ず」(聖典一・二九〇)と描いている。なお、この際、釈尊には密意があって、韋提希が往生を願うであろう仏国土を惑わずに選ぶことができるよう、あえて仏国土の説示を避けて韋提希の視覚に訴え一々の仏国を見せしめたと解釈されている。この点について善導は「広く浄土の門を開く」(聖典二・二二三/浄全二・二八上)と言及する。
【資料】善導『観経疏』序分義、義山『観無量寿経随聞講録』
【執筆者:袖山榮輝】