阿弥陀仏の西方極楽浄土をいう。蓮刹とも。念仏往生する人は、西方浄土の池に咲く蓮華に生ずることからこのように呼ばれる。袾宏しゅこうの『阿弥陀経疏鈔』二に、「これ蓮華とは、すなわち凡殻を卸す玄宮にして、慧命を安やすんずる神宅なり。往詣の国、号して蓮邦と曰う」(続蔵三三・二〇三下)とあり、西方浄土の蓮華はわれら凡夫の往生する場所であり、また衆生の法性を持続せしめる場所でもあるとしている。
【執筆者:石上壽應】