「念仏往生義」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ねんぶつおうじょうぎ/念仏往生義
一巻。法然のものと伝えられる文献。『拾遺和語灯録』下所収。内容は、第十八願を信じて乃至一念も疑わなければ、十即十生だとする。しかし、念仏をしても疑う者は往生できないとし、その疑いの例を三種あげている。自身の罪が重いので念仏しても往生できないという疑い、念仏しても世事に忙しいので往生できないという疑い、念仏しても心が猛利でないので往生できないという疑いである。これらの疑いに対し、それぞれ解答をしている。次に、三心の説示があり、一向専念を勧めている。しかし、念仏で往生できるからといって、悪業をはばからず、念仏に励まないことについては、否定している。
【所収】聖典四、昭法全、『龍谷善本叢書・元亨版和語灯録』
【執筆者:角野玄樹】