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てんねのみえい／転衣の御影

知恩院に所蔵される法然像の一つ。転衣とは衣替えのことであり、「香衣の御影」ともよばれる。勅許による香衣綸旨りんじは、百万遍知恩寺一九世慶竺が後花園天皇から賜った香衣被着の綸旨が最初とされている。彼はのち知恩院二一世となり、その際、従来墨染の姿であった法然像を香衣に替えて描かせたのがこれである。この御影は曲彔きょくろくに倚座し、文様の入った香衣を着、左斜めを向き念珠をくる姿で、頭の形はいわゆる「法然あたま」ではない。このような曲彔に倚座する姿は法然の御影には少なく、真宗の光明本尊や浄土五祖像、あるいは禅宗の頂相などの影響を受けていると考えられる。【図版】巻末付録

【参照項目】➡法然上人御影

【執筆者：成田俊治】