「選択私集鈔」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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せんちゃくしじゅうしょう/選択私集鈔
八巻。西山派深草義の尭恵善偉が著した『選択集』の注釈書。至徳四年(一三八七)頃成立。長楽寺流や一念義など他流派の教説と比較しながら自説を展開するため、途絶えた流派の佚文を多く含み、資料的価値が高い。ただし教義的には、鎮西義に近い説を述べるところがあり、深草義の正統的解釈ではないとも評される。享保元年(一七一六)開板以前は「選択私鈔」の題で流布し、著者不明の「三河八巻鈔」と呼ばれていた。これを尭恵作と断定したのは真宗大谷派の恵空である(龍谷大学蔵写本袖書)。
【所収】『仏教大系』四二、四三
【参考】稲田廣演「《研究資料》円福寺蔵享保二年板『阿弥陀経私集鈔』」(『深草教学』二二、二〇〇二)
【執筆者:稲田廣演】