「四十余年未顕真実」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版
しじゅうよねんみけんしんじつ/四十余年未顕真実
『法華経』の開経とされる『無量義経』にある語句で、『法華経』によって初めて説かれるまでは、釈尊出世の本懐である真実の教えは明らかにされなかったということをあらわす。智顗によって『法華玄義』などに説かれたもので、当時釈尊一代五十年の説法とされていたうち、法華以前の四十余年は、真実相の教えを受ける準備を衆生にさせる期間であったという。つまり、全ての衆生には遠い昔からの因縁があり、三乗の区別なく皆が成仏できる(法華の人開会)という釈尊の真意を理解する準備が衆生側にできていなかったため、方便としての様々な教説を用意し、次第に衆生の機根を調えて、『法華経』に至って初めてそのことを述べたとする。『安土宗論』において日蓮宗側はこの語を引いて、浄土宗の念仏は未顕真実の方便説と攻撃した。
【参考】『安土宗論実録』(仏全九七)
【執筆者:霜村叡真】