「昭和新修法然上人全集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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しょうわしんしゅうほうねんしょうにんぜんしゅう/昭和新修法然上人全集
石井教道・大橋俊雄共編。昭和三〇年(一九五五)三月二〇日、法然上人七五〇年御忌記念出版として理想社から刊行。『法然上人全集』は明治三九年(一九〇六)七月、黒田真洞・望月信亨共編で宗粋社から刊行されているが、ここに「昭和新修」本を刊行する因由として、編者石井教道は次の五由を挙げている。書誌学的考察を加え材料を整理し、全文にわたって、底本と異本とを比較校合した。思想史的に浅劣念仏期・本願念仏期・選択念仏期の三期に分け編集を試みた。諸種の材料を公平に取り扱った。新材料を載録した。偽書も時代的背景を知る上で、重要な役割を担うものとして収録した。本書の分類は、『黒谷上人語灯録』のように漢語と和語とに分類せず、黒田・望月共編『法然上人全集』を参照し、次の八輯に分けている。①教書篇として一七篇(思想史的に配列)、②法語類篇として無問自説の法語三三篇五六文、③消息篇として二六篇三一文、④対話篇として問答体のものを五〇篇七九文、⑤伝語篇として直接間接に元祖から承ったもの二三篇一一五文、⑥制誡篇として門弟を誡めたものなど八篇一〇文、⑦雑篇として以上六輯に漏れたもの二六篇三六文、⑧伝法然書篇として真偽未詳のもの八六篇。原書の書誌学的調査・校合・清書整理に努めた大橋俊雄の労をねぎらい共編としたとしている。本全集によって法然の学術的研究は飛躍的に発展し、多くの研究指針を後人に与えることになった。現在の法然上人全集の決定版といえる。昭和四九年(一九七四)四月二〇日、浄土宗開宗八〇〇年記念出版として復刊。
【執筆者:梶村昇】