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「摧邪興正集」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版

ざいじゃこうしょうしゅう/摧邪興正集

二巻。実慧(未詳)撰。『早稲田大学図書館和漢図書分類目録(三)』に明応六年(一四九七)写本所蔵の記載があるので、これより以前の成立であることが知られる。本書は、法華宗日蓮義の「真言は亡国の宗、禅門は天魔の法、爾前は妄語の説、念仏は無間の業」(浄全八・六二一上)という他宗に対する非難のうち、「念仏無間業」に対して浄土宗の立場から三五箇条を挙げて反駁するというものである。文亀元年(一五〇一)の元奥書を有する元和四年(一六一八)の写本(佛教大学図書館蔵)には、本書の披見・談会・伝授等は不可である旨が記されている。後に仏性院日奥(一五六五—一六三〇)は、日蓮宗の立場から本書を論駁するために『断悪生善』(『日蓮教学全書』続宗論部九)を著した。


【所収】浄全八、『日蓮教学全書』続宗論部九


【参考】岸信宏「摧邪興正集」(浄全二一「解題」)、『断悪生善』(『万代亀鏡録』宮崎英修「解説」、出版科学総合研究所、一九八二)


【執筆者:米澤実江子】