「観経疏聞書」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
かんぎょうしょききがき/観経疏聞書
七冊。良忠述、良聖書。建長六—七年(一二五四—一二五五)に下総国匝瑳郡飯塚御庄内松崎郷福岡村(千葉県匝瑳市)において、善導『観経疏』の良忠による講述を良聖が筆録したもの。『玄義分聞書』三冊、『序分義聞書』一冊、『定善義聞書』三冊が現存し、『散善義聞書』は伝わっていない。『玄義分聞書』と『定善義聞書』には講述の日付が記されており、定善義、玄義分の順に講義されたことが確認できる。またこの講述を終えて一年一〇ヶ月ほど経過してから『伝通記』の述作が行われていることや、註釈の重複や付加も非常に多いことから、良暁『浄土述聞鈔』(浄全一一・五四七下)にいう『伝通記』の草稿本である『福岡鈔』ではないかと考えられる。
【所収】金沢文庫蔵
【参考】坪井俊映「金沢文庫蔵『観経書聞書』の研究」(『仏教文化研究』三一、一九八六)、納富常天「金沢文庫本『観経疏聞書』について」(『仏教文化研究』三二、一九八七)
【執筆者:石上壽應】