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おうじょうようしゅうりゃくりょうけん／往生要集略料簡

一巻。法然述。源信の『往生要集』を注釈した書。法然の注釈は、他に『往生要集料簡』『往生要集釈』『往生要集詮要』がある。四種の釈書はいずれも、詳しい成立年代は不明であるが、法然の著述の中で初期のものとされている。本書が所収されている『漢語灯録』には古本と新本とがあり、本書はそのどちらにも存在するが、両本はまったく別本である。新本は、義山が当時伝わっていた『往生要集釈』を二分し、前半を『往生要集大綱』、後半を『往生要集略料簡』として手を加えたものとされている。本書の内容は、書名のとおり『往生要集料簡』とほぼ同内容を省略して説かれている。『往生要集料簡』においては詳細に説かれていた『往生要集』大文第五「助念方法門」の第七「惣結要行」に関する解釈が、簡潔にまとめられているものの整理の方法は異なっている。この「惣結要行」解釈について、『往生要集詮要』には本書と同じ解釈が存在し、『往生要集釈』には本書の解釈と『往生要集料簡』にある解釈とが混在していることが、後世の加筆を示すものではないかとして注目されている。

【所収】『仏教古典叢書』、昭法全、浄全九

【参考】林田康順「法然上人『往生要集』四釈書の研究」（印仏研究四四—一、一九九五）

【参照項目】➡往生要集、往生要集釈

【執筆者：長尾隆寛】