「往生集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
おうじょうしゅう/往生集
三巻。袾宏編。明・万暦一二年(一五八四)述。廬山慧遠にはじまり明代に至るまでの往生人の事跡を集めたもの。沙門往生類をはじめとして、王臣・居士・尼僧・婦女・悪人・畜生の往生類、続録として明代の往生人を挙げ、さらに往生の経証を集めた諸聖同帰類、念仏による現世利益を記した生存感応類がある。また随処に袾宏自ら賛を加えているところに特徴があり、この中、禅と浄土の兼修について述べられた円照本禅師の賛(続浄一六・二三六下/正蔵五一・一三六中)には、二つの船に片足ずつまたがるといった兼修ではなく、円通無礙の兼修をすべきことを勧めている。本書は袾宏の遺文集『雲棲法彙』に収められ伝わっている。
【所収】続浄一六、正蔵五一
【執筆者:石上壽應】