「弥次郎入道」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
やじろうにゅうどう/弥次郎入道
一二~三世紀頃、生没年不明。法然に帰依した関東武士。『四十八巻伝』二五によれば、武蔵国那珂郡(埼玉県児玉郡美里町付近)の出身で、法然の教えを受け、帰郷してからも法然の消息を秘蔵して念仏に励んだ。病んで往生の夢告があり、予告どおり往生した。那珂郡は、中世武蔵七党の猪俣党の拠点であり、甘糟忠綱と同郷にあたる。なお「往生の夢告」では、墨染の僧から彼は白蓮華を渡され、「青蓮華は新田の太郎が分」(聖典六・三八三)と記されている。新田太郎が新田氏の祖義重ならば、かれは建仁二年(一二〇二)に没しており、弥次郎入道の忌日を推定する上で参考になる。
【資料】『四十八巻伝』(聖典六)、『新田氏系図』
【執筆者:小此木輝之】