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まんぜんどうきしゅう／万善同帰集

三巻。宋・延寿述。成立年次不詳。延寿の生没年から一〇世紀中ごろの成立か。あらゆる善行は実相に帰結するのであり、悟りに入るために欠かすことのできない万善諸行を実践実修すべきことを論じたもの。本書には①理事無礙②権実双行③二諦並陳④性相融即⑤体用自在⑥空有相成⑦正助兼修⑧同異一際⑨修性不二⑩因果無差の一〇門が設けられ、理事合行や禅浄双修が宣説されている。本性の弥陀・唯心の浄土を説きながら本願力を認め、散心の称名念仏による往生浄土を勧めるなど、延寿の浄土教思想の特色がよく示されている。

【所収】浄全六、正蔵四八、続蔵六三

【参照項目】➡延寿

【執筆者：吉水岳彦】