「阿修羅」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:17時点における最新版
あしゅら/阿修羅
ⓈⓅasuraの音写語で阿蘇羅、阿須羅、阿素洛ともいう。古代ペルシャ語のahuraと同じ語源をもち、本来、善神を意味していたが、後に神(Ⓢsura)に否定辞aがついた神に非ざるものと考えられ、神々と戦う悪神としてヴェーダ聖典や叙事詩などにあらわれる。例えば阿修羅に属するⓈRāhu(羅呵、羅睺)は海を攪拌して神々の不死の酒を飲もうとするが、ヴィシュヌに頭を切り落とされる。すでに酒を得た頭のみ不死となり、暴露した太陽と月に怨みを抱き、周期的に吞み込んで日食と月食を起こすとされる。仏教では、阿修羅を争いやまぬ存在として捉え、輪廻に六道を説く場合には人間界の次に阿修羅の世界が加えられる。また、仏法を守護する八種の神々(八部衆)や、千手観音の眷属(二十八部衆)のなかに守護神として加えられ、奈良興福寺の八部衆阿修羅像(国宝)や京都三十三間堂の二十八部衆阿修羅像(国宝)にその姿を見ることができる。
【参照項目】➡六道
【執筆者:吹田隆道】