「標註一言芳談抄」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版
ひょうちゅういちごんほうだんしょう/標註一言芳談抄
三巻。湛澄編著。著者による叙から元禄元年(一六八八)成立、また奥付から同二年刊行であることがわかる。永仁五年(一二九七)から元徳二年(一三三〇、翌年とも)の間に成立した要文集『一言芳談』に解説を施し、もともと無造作に配列されていた法語を内容別に並び替えをして編集したもの。具さには三資、清素、師友、無常(以上一巻)、念死、臨終、念仏、安心(以上二巻)、学問、用心(以上三巻)の項目を設けて再編集されている。また、本論に入る前に湛澄による標註乙言芳譚叙、凡例と、『一言芳談』で取り上げられている人師に関する簡単な解説を施している。本書には三巻を一冊にして刊行したものと、それぞれ別に製本された三冊のものとがあり、刊行年は同じながら若干その内容が異なる。三冊本の目次には「巻之四 異本雑附」とあって、異本校合の結果を巻四として刊行する予定があったことを伝えている。『続浄』八に収録されているものはこの記載のない一巻本である。
【所収】続浄八、仏全六二、岩波文庫『標註一言芳談抄』(岩波書店、一九四一)
【参考】成田俊治「浄土宗全書続八巻(旧八巻)解説」(続浄八、山喜房仏書林、一九七四)、丸山博正「『一言芳談』考」(櫛田博士頌寿記念『高僧伝の研究』同、一九七三)
【執筆者:郡嶋昭示】