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「二序七縁」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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[[善導]]『[[観経疏]]』[[序分]]義における[[科文]]のこと。[[善導]]は『[[観経疏]]』において『[[観経]]』の[[序分]](「[[如是我聞]]」から「[[極楽]][[世界]]」〔聖典一・二八七~九二/浄全一・三七~九〕まで)を、まず[[証信序]]と[[発起序]]に大別する。さらに[[発起序]]は、①<ruby>[[化前序]]<rt>けぜんじょ</rt></ruby>②<ruby>禁父<rt>こんぶ</rt></ruby>縁③<ruby>禁母<rt>こんも</rt></ruby>縁④<ruby>厭苦<rt>えんく</rt></ruby>縁⑤<ruby>欣浄<rt>ごんじょう</rt></ruby>縁⑥<ruby>[[散善]][[顕行]]<rt>さんぜんけんぎょう</rt></ruby>縁⑦<ruby>[[定善]][[示観]]<rt>じょうぜんじかん</rt></ruby>縁の七に分類される。これを総じて[[二序七縁]]とよぶ。すなわち二序とは[[証信序]]と[[発起序]]を意味し、七縁とは①[[化前序]]から⑦[[定善示観縁]]の七つを意味する。また①[[化前序]]を序の一つとみなして三序とし、②[[禁父縁]]から⑦[[定善示観縁]]を六縁として、『[[観経疏]]』[[序分]]義における[[科文]]を[[三序六縁]]と称する場合もある。[[二序七縁]]と[[三序六縁]]の相違が起こるのは[[善導]]自身が『[[観経疏]]』[[序分]]義において、はじめに「また前の序の中に就いて、また分って二とす」(聖典二・一九一/[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J02_0013 浄全二・一三下])と述べ、終わりに「初めには[[証信序]]を明し、次に[[化前序]]を明し、後に[[発起序]]を明す。上来三序の不同有りといえども、総じて[[序分]]を明し竟んぬ」(同二三七~八/同三四上)と述べていることに起因している。[[良忠]]などはこの違いを開合の異であるとし、本質的な相違ではないと理解している。
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[[善導]]『[[観経疏]]』[[序分]]義における[[科文]]のこと。[[善導]]は『[[観経疏]]』において『[[観経]]』の[[序分]](「[[如是我聞]]」から「[[極楽]][[世界]]」〔聖典一・二八七~九二/浄全一・三七~九〕まで)を、まず[[証信序]]と[[発起序]]に大別する。さらに[[発起序]]は、①<ruby>[[化前序]]<rt>けぜんじょ</rt></ruby>②<ruby>禁父<rt>こんぶ</rt></ruby>縁③<ruby>禁母<rt>こんも</rt></ruby>縁④<ruby>厭苦<rt>えんく</rt></ruby>縁⑤<ruby>欣浄<rt>ごんじょう</rt></ruby>縁⑥<ruby>[[散善]][[顕行]]<rt>さんぜんけんぎょう</rt></ruby>縁⑦<ruby>[[定善]][[示観]]<rt>じょうぜんじかん</rt></ruby>縁の七に分類される。これを総じて[[二序七縁]]とよぶ。すなわち二序とは[[証信序]]と[[発起序]]を意味し、七縁とは①[[化前序]]から⑦[[定善示観縁]]の七つを意味する。また①[[化前序]]を序の一つとみなして三序とし、②[[禁父縁]]から⑦[[定善示観縁]]を六縁として、『[[観経疏]]』[[序分]]義における[[科文]]を[[三序六縁]]と称する場合もある。[[二序七縁]]と[[三序六縁]]の相違が起こるのは[[善導]]自身が『[[観経疏]]』[[序分]]義において、はじめに「また前の序の中に就いて、また分って二とす」(聖典二・一九一/[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J02_0013 浄全二・一三下])と述べ、終わりに「初めには[[証信序]]を明し、次に[[化前序]]を明し、後に[[発起序]]を明す。上来三序の不同有りといえども、総じて[[序分]]を明し竟んぬ」(同二三七~八/[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J02_0034 同三四上])と述べていることに起因している。[[良忠]]などはこの違いを開合の異であるとし、本質的な相違ではないと理解している。
 
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【資料】『伝通記』序分義記
 
【資料】『伝通記』序分義記

2018年9月17日 (月) 10:09時点における最新版

にじょしちえん/二序七縁

善導観経疏序分義における科文のこと。善導は『観経疏』において『観経』の序分(「如是我聞」から「極楽世界」〔聖典一・二八七~九二/浄全一・三七~九〕まで)を、まず証信序発起序に大別する。さらに発起序は、①化前序けぜんじょ禁父こんぶ縁③禁母こんも縁④厭苦えんく縁⑤欣浄ごんじょう縁⑥散善顕行さんぜんけんぎょう縁⑦定善示観じょうぜんじかん縁の七に分類される。これを総じて二序七縁とよぶ。すなわち二序とは証信序発起序を意味し、七縁とは①化前序から⑦定善示観縁の七つを意味する。また①化前序を序の一つとみなして三序とし、②禁父縁から⑦定善示観縁を六縁として、『観経疏序分義における科文三序六縁と称する場合もある。二序七縁三序六縁の相違が起こるのは善導自身が『観経疏序分義において、はじめに「また前の序の中に就いて、また分って二とす」(聖典二・一九一/浄全二・一三下)と述べ、終わりに「初めには証信序を明し、次に化前序を明し、後に発起序を明す。上来三序の不同有りといえども、総じて序分を明し竟んぬ」(同二三七~八/同三四上)と述べていることに起因している。良忠などはこの違いを開合の異であるとし、本質的な相違ではないと理解している。


【資料】『伝通記』序分義記


【参照項目】➡観無量寿経疏


【執筆者:石田一裕】