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「唐中期の浄土教」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:30時点における最新版

とうちゅうきのじょうどきょう/唐中期の浄土教

塚本善隆著。昭和八年(一九三三)一二月、東方文化学院京都研究所(現・京都大学人文科学研究所)から、松本文三郎の序を付し研究報告第四冊として出版。さらに同五〇年に論文一稿(「南嶽承遠伝とその浄土教」)を付けて同書名で法蔵館から刊行。本書は副題に「特に法照禅師の研究」とあるように、法照の伝記と著作に関する研究が行われている。本書により善導以後の唐代の浄土教の状況が初めて解明された。特に代宗から徳宗時代の仏教界に関する研究は、『旧唐書くとうじょ』および『新唐書』や『全唐文』をはじめとする諸資料を詳しく調べたものであり、また『両京城坊攷』を参照して作成した唐長安寺観一覧図を付すなど、現在の中国仏教研究の基礎を構築したもの。また法照の著作に関しては敦煌文献を駆使した内容であり、中国仏教研究において最初に敦煌文献を導入した点においても本書の価値は極めて高い。


【所収】『塚本善隆著作集』四(大東出版社、一九七六)


【執筆者:柴田泰山】