「選択集大観」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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せんちゃくしゅうたいかん/選択集大観
藤堂祐範編。大正一一年(一九二二)一二月、中外出版発行。浄土教版本研究の第一人者であった著者の三部作の一つ。『選択集』に関する書誌学的研究をまとめたもので、存欠を含めて当時伝えられた『選択集』を網羅し、かつ可能な限り写真を掲載しており、『選択集』研究のみならず浄土宗典籍研究には欠かせない書物。内容は『選択集』各本の写真一三三枚を掲載し、続いて「大正新訂選択本願念仏集」として延応版本を底本に十数種の他本を対校した『選択集』本文を収録、さらに『選択集』の古鈔本類五種、粘葉綴古版本類一一種、袋綴本五三種、近代活字類一四種を解説した著者編の「選択集書誌学的研究」、続いて付録として、新村出著の「選択集古版本考」を掲載している。本書出版後の震災や戦火等で散逸した文献もみられることから、それらを伝える貴重な書物となっている。なお本書は昭和五〇年(一九七五)七月に著者の遺弟藤堂恭俊によって山喜房仏書林より増訂改版されている。
【参照項目】➡選択集の刊本
【執筆者:兼岩和広】