下品三生の凡夫の称える十念のこと。『観経』下品下生に「至心に、声をして絶えざらしめ、十念を具足して、南無阿弥陀仏と称す」(聖典一・三一二/浄全一・五〇)とあることによる。これによって、罪悪生死の凡夫であっても、仏願力によって往生することができるという。この下品に説かれる十念は『選択集』三において、法然が念声是一を説く根拠となっている。
【参照項目】➡具足十念、念声是一
【執筆者:三輪隆就】