「逆修」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:22時点における最新版
ぎゃくしゅ/逆修
死後の往生菩提に資するため、その生前にあらかじめ善根功徳を積むこと。預修、兼修とも。この語は、『十方随願往生経』に「末終之時逆修三七」とある一節を典拠とすることが、珍海『菩提心集』によって知られている。法然の『逆修説法』は、安楽房遵西の父中原師秀の請により、五〇日間にわたる逆修法会の導師をつとめた際の説法の記録である。また法然は『往生浄土用心』で「七分全得の事、仰のままに申すげにそうろう。さてこそ逆修はする事にてそうらえ」(聖典四・五五二/昭法全五六〇)と述べ、後に念仏回向による逆修を勧めている。この本義より転じ、今日では生前に戒名を授与することや墓石に朱字を刻むことを逆修と呼ぶことが多い。
【参考】大谷旭雄『法然浄土教とその周縁』坤(山喜房仏書林、二〇〇七)
【執筆者:安孫子稔章】