「雪洞」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 10:09時点における最新版
ぼんぼり/雪洞
一
堂内で用いる照明具。雪洞灯台ともいう。日常の灯火具が仏前供養具となった。燭台や灯明台に、紙や薄布を内側から貼りつけた塗の框の覆いをつけたもの。覆いの火袋は、上部が広がったもの、底辺が六角形、円筒形をしたものなどがある。仏前のみならず、高座説法の座に置く場合もある。
【参考】内阪素夫『日本灯火史』(つかさ書店、一九七四)、『嬉遊笑覧(四)』(岩波文庫、二〇〇五)
【執筆者:八橋秀法】
二
扇の一つ。現在浄土宗で用いている扇は、中啓と広骨扇(朱扇・白扇)の二種類であるが、中啓に比べ雪洞は末広のそりの幅が半分ほど短い。扇は日本で考案された持ち物で、涼を取るために檜扇に準じた五本骨、片面張りの扇が考え出され、「アオグ」の語から「オウギ」と呼ばれた。これが中国で改良され、再び日本に逆輸入されてきた。扇は「儀容を整えるため」の笏から代わって儀式の持ち物となり、法要などの執持物となった。『法式教案』には直綴または略衣の場合に多く用いるとある。なお『法要集』では檜扇・雪洞・末広などを用いていない。
【執筆者:水野正雄】