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「分骨」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版

ぶんこつ/分骨

一体の遺体から生じる遺骨を一箇所にまとめず、複数に分け収蔵・埋葬もしくは保有すること。または分けられた遺骨のこと。分骨の程度や収蔵場所によっては分骨ごとの埋葬許可書が必要となることがある。また、一度納骨された遺骨を分骨する場合は遺族や墓地管理者の立ち会いを必要とする。伝承によると、釈尊の遺骨は荼毘だびに付された後に八つに分けられ、それぞれ仏舎利塔に安置された。これが後に仏舎利信仰を生み出すこととなり、塔婆の原型ともなる。なお、明治三一年(一八九八)にカピラヴァスツから程近いピプラーワーで、イギリス人駐在官ペッペが骨壺を発見した。考古学的な鑑定の結果、現在では真の仏舎利として最も信憑性があるとされている。この壺は当時のイギリス領インド政府からタイ国に譲り渡され、同三三年にはその一部が日本・タイ国間の友好の証として日本政府に譲渡されている。その四年後には、仏舎利を奉納すべく現在の名古屋市千種ちくさ区に覚王山日泰寺が創建された。


【参考】中村元『原始仏教 その思想と生活』(日本放送出版協会、一九七〇)、藤井正雄・長谷川正浩編『補訂版 Q&A墓地・納骨堂をめぐる法律実務』(新日本法規出版、二〇〇五)


【参照項目】➡納骨納骨堂仏塔


【執筆者:江島尚俊】