「八音」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
Seishimaru (トーク | 投稿記録) 細 (1版 をインポートしました) |
|
(相違点なし)
|
2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版
はっとん/八音
如来の声がそなえる八種の音。八種梵音声、八種清浄音などともいう。『無量寿経』下には「梵声はなおし雷震のごとく 八音妙響を暢べたまう」(聖典一・二五三/浄全一・二〇)と述べられている。浄影寺慧遠はこの八音を①最妙声(哀妙な声)②易了声(言辞が明瞭)③調和声(ちょうど良い大きさ)④柔軟声(柔和な声)⑤不悞声(言葉に誤りがない)⑥不女声(雄雄しく朗らかな声)⑦尊慧声(威厳のある声)⑧深遠声(遠くまで響く声)の八種と理解している。これは『梵摩渝経』(正蔵一)によった解釈であり、おおよそこの八種が八音とされるが、訳語の相違や紹介の順序は仏典によって異なり一定しない。
【資料】『無量寿経義疏』下、『往生礼讃私記』、『釈浄土二蔵義』六
【執筆者:石田一裕】