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「病人祈安の文」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版

びょうにんきあんのもん/病人祈安の文

病が平癒し身体が安らかになることを祈る文。「某人仏天衛護禍変為福病即消滅四大軽安ぶってんえいごかへんいふくびょうそくしょうめつしだいきょうあん」。仏天の加護により禍を転じて福となし病が消え体調が整い安らかならんことを、との意。「某人」とあるところに対象者の人名を入れて唱える。『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』下(七ウ)に出るが、原典不明。ルビは望月信道編『浄土宗聖典』による。たとえば、祐麟の『浄業課務』(『祐天寺史資料集』四上・六四四)に「病者祈願」として「所修善根、悉皆回願、抱病某人、諸縁未尽、早遂軽安、大限難逃、径生安楽」、あるいは「所修善勲、悉皆回向、某人仏力加祐、病即消除、現当二世、願仏護念」との文があり、江戸後期には同様の文が使われていた。ただし『法要集』(昭和一四年版)以後は使われていない。


【執筆者:巖谷勝正】