「念仏三心要集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版
ねんぶつさんじんようしゅう/念仏三心要集
一巻。聖光作。一三世紀前半の成立。文中に「年、七旬に成て」(浄全一〇・三八九下)とあることから、聖光七〇歳(寛喜三年〔一二三一〕)から入寂の嘉禎四年(一二三八)までの成立であろう。「故法然上人より此の如く種種に念仏の法門を受伝て候。日本国の一切の人人を助け奉んが為に、年七旬に成て最後の化導と存じてわななくわななく注し置き候う」(浄全一〇・三八九下)とあるように、広く日本に法然の教説を広めようとする願いのもとに製作されたもの。内容は題の通り三心について細釈するものであり、聖光の三心説を理解するには随一の書である。三心のほかに善知識のあり方などにも触れている。全編通じて疑心を厳しく制する姿勢が見られる。文中には『念仏名義集』と『授手印』が引用されているが、これが後世に付加されたものとする説もある。世に知られる「念死念仏」の語は現存する聖光の著作の中、本書のみに見られる。
【所収】浄全一〇
【参考】恵谷隆戒「宗義顕彰・鎮西、記主著作解題」(浄全一〇、山喜房仏書林、一九七一)、「浄土宗全書解題」(浄全二一、一九七二)
【参照項目】➡念死念仏
【執筆者:郡嶋昭示】