「日蓮」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:30時点における最新版
にちれん/日蓮
貞応元年(一二二二)—弘安五年(一二八二)一〇月一三日。日蓮宗の開祖。安房国に漁夫の子として生まれる。一二歳で同国清澄寺に登り勉学に励み、一六歳のときに出家して是聖房蓮長と称した。のち鎌倉や京都、さらに比叡山で学んだ。三二歳で安房国に帰り、「妙法蓮華経」の五字を唱えなければ、末法の衆生は救われないとして日蓮宗を開いた。鎌倉に移った日蓮は、浄土宗をはじめとする他宗を激しく誹謗したために伊豆に流罪となった。その後も松葉谷、小松原、竜口などでたびたび法難を受け、文永八年(一二七一)には佐渡に流罪となった。三年後、赦されて鎌倉に戻るが、甲斐国身延(山梨県南巨摩郡身延町)に隠棲し、門弟、檀越の指導に力を注いだ。弘安五年、病気の治療のため常陸国に向かう途中、武蔵国池上(東京都大田区)で入寂した。日蓮は浄土宗を『守護国家論』『立正安国論』等で批判し、念仏に対しては「念仏無間」といい、念仏は無間地獄に堕ちる業であると非難している。
【参考】大野達之助『日蓮』(吉川弘文館、一九五八)、鈴木一成『日蓮聖人正伝』(平楽寺書店、一九八一)
【執筆者:大嶋憲彰】