「月輪」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:29時点における最新版
つきのわ/月輪
一
京都市月輪寺(右京区嵯峨清滝月ノ輪町)の所在地名。『月輪寺略縁起』によれば、天応元年(七八一)に、地中より「人天満月輪」と刻された古鏡が掘り出され、それが月輪寺の寺名の由来とされ、地名にもなったと考えられる。この地には、空也が竜女を教化したという伝説がある。また九条兼実の別荘地であったとも伝えられ、建永の法難の際、法然が親鸞と共に訪れ、別れを惜しんだという逸話が残されている。
【資料】『愛宕鎌倉山月輪寺縁起』
【参照項目】➡月輪寺
【執筆者:東海林良昌】
二
九条家伝領の地であり、九条兼実が出家後山荘を営んだ地。その山荘を月輪殿と呼び、兼実の呼称ともなったと考えられる。弘安三年(一二八〇)に東福寺の境界を記した『東福寺四至之文』には、「東は月輪殿の堀路通に限り」とあり、現在の京都市東山区東福寺の東から泉涌寺に至る辺りを言う。
【資料】『拾遺都名所図会』二、『都林泉名勝図会』三
【参照項目】➡月輪殿
【執筆者:東海林良昌】
三
京都市左京区の聖護院付近にあった地名。かつての弥勒堂の西に位置し、九条兼実の別荘旧址であり、親鸞が居住したこともあるという。この地にはかつて月輪院という寺があり、近くに流れる川は月輪川と呼ばれたという。
【資料】『拾遺都名所図会』二、『花洛名所図』四
【執筆者:東海林良昌】