「智慶」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:29時点における最新版
ちけい/智慶
一三世紀前半頃の人。生没年不明。房号は南無。法然門下・多念義の祖である長楽寺隆寛の弟子。関東に生まれ、初め天台を学んだが、後に上洛して隆寛に師事し浄土宗に転じた。その後関東に帰って、鎌倉佐々目に新長楽寺を開き多くの道俗を教化した。関東浄土教興隆の立役者の一人とされ、その布教力の大きさは日蓮も認めている(『一代五時図』など)。著作として『称名問答』があり、日蓮の弟子・日向の編とされる『金綱集』に抄出引用されている。また金沢文庫保管・隆寛著『散善義問答』は智慶が書写したものである。主な弟子として隆慶、信楽、信承などがいた。
【資料】『源流章』(浄全一五・五九五上~下)、『総系譜』下(浄全一九・一〇八)、『一代五時図』(『昭和定本日蓮聖人遺文』二二八七)、『金綱集』五・浄土見聞集下(『日蓮宗宗学全書』一三・一七二)
【参考】住田智見『浄土源流章』(法蔵館、一九八二)、貫達人・川副武胤『鎌倉廃寺事典』(有隣堂、一九八〇)、日置孝彦「隆寛浄土教の東国伝播」(『金沢文庫研究』二四五、一九七七)
【執筆者:吉田淳雄】